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今回の小説
「NARUTO」でカカシ×ナルトです。BLです。
そして、お題が「終わる世界」で・・・ものすごく暗い上にバッドエンドで、更に死ネタです。
よくぞここまで暗い話し書いたな私・・・書いている時の心情が内容に出た感じがするあたり、
私も終わってるorz
と、いうわけで、死ネタが嫌いな人・苦手な人、バッドエンドが嫌い・苦手な人は読まないで下さい。
なんか、書いてて、だんだん気分が・・・(苦笑)
でも途中で止めることもできない人間なので書き切りました。
小説書きさんに暗~い20のお題 ←配布先
16.終わる世界
目の前に広がる惨状。
あらゆる場所から上がる絶望の声、悲鳴、そして断末魔が響く。
ここは、火の国・木の葉の里。
里にある歴代火影の顔が彫られている、通称”火影岩”も無残に抉りとられ、
里の民家は何かに潰された無残な光景。
至る所で里の人間が倒れ、すでに息絶えた者や今にも息途絶えようとしている者、
怪我を負い、動けずに恐怖に歪む表情を浮かべる者に手を貸す人間もいない。
木の葉の里を二十年前と同じように危機に陥れる存在が突如現れた。
それは人の形を残すものの、それは人間とは遠い姿。
肌が赤黒く染まり、全身からは自らの肉体を傷つけ、流れ続ける赤黒い血。
目に見えるほど強大で、そして邪悪なチャクラが全身を包み込み、それは尾のように見えた。
チャクラで形成された尾は、九本を数える。
”九尾”その昔、木の葉を危機に陥れ、里の人々に消えぬ恐怖と憎しみを植え付けた化け物。
当時の四代目火影がその命を賭して封印した巨大な狐である。
「ナルト・・・」
今、九尾を前にけだるい表情を浮かべて忍装束を身に着けた男がゆっくりと接近していく。
いつも愛用していた里から支給されたベストもシャツもズタズタに引き裂かれ
、左目を隠すように巻かれていたバンダナも無残な姿で布だけが首にぶらさがっていた。
男の左目から頬には、縦に伸びた大きな古傷があり、傷の渡る左目は右目とは違う輝きを放っている。
はたけカカシ。
木の葉の上忍であり、今では唯一の写輪眼を使える人間だ。
普段は顔の下半分を隠す布はとうに無く、カカシの顔や腕、足、
破けた服の中に至るまで、全身に傷を負っていた。
時は遡り、昨日の話になる。
二十歳になったナルトは、生まれ持った忍としての才能を開花させ、
やむを得ず己の身に受けた強大な力をも制御し、里でも指おりの腕を持つ忍に成長していた。
三代目火影、五代目火影に可愛がられていた事もあり、
ナルトは里の住人達との間に大きな問題も起こす事なく平穏に過ごしている。
「ただいま~」
扉を開けて部屋に入ると、いつもの忍装束にベストを脱いだだけの状態で、
エプロンをつけたナルトが嬉しそうな表情で駆け寄ってきた。
「おかえり、カカシ先生」
ナルトの恋人はかつての上司だったカカシ。
付き合い出したのは、今から五年前。
暁、大蛇丸、サスケなどの大事件で里中の忍が、
次々に起こる事件に追い詰められていた頃である。
この二人の仲は五代目をはじめ、里の者ほぼすべてに知れ渡っているほど有名だった。
男同士の恋愛は、特に規則によって規制はされていないが、
やはり自然の摂理から外れた事には変わりが無い。
さらに、カカシもナルトも里内外で名を知らぬ者がいないほどだ。
カカシとナルトが一緒に暮らし始める予定日の朝。
変化の術で、今も二十歳前後の若い姿を保ち続ける五代目火影の執務室に
呼びされたカカシとナルトは、苦笑を浮かべながら執務机にひじをつき、
ジロリと睨みつける火影・・・綱手をチラリと見た。
「お前達、今日明日中からいっしょに住むって話は本当かい?」
一枚の書類を指でつまみながら、申請内容に不機嫌そうに目を通した。
その書類には、ナルトの転居届けであり、転居先にはカカシの住居が書かれてある。
「え、うん・・・本当だけど。それが何か悪いってばよ?」
二十歳にもなった男が唇を尖らせ、拗ねた表情を見せたのを目にして
綱手は大きなため息をつき、書類を机の上に落とした。
「それで、お前らが付き合っているという話も?」
ナルトに向けていた視線を横に動かし、今度はカカシをさらにきつく睨みつける。
その瞳にひるむこともなく、カカシはにっこりと笑顔で口を開いた。
「事実です、五代目。俺とナルトは将来を誓い合っていますから。な、ナルト?」
綱手の視線をさらりと流し、横で赤面しているナルトに顔を向け、すぐ横にあった手をぎゅっと握る。
「わわっカカシ先生!ばあちゃんの前だってばよ」
やや小声でカカシをたしなめるが、狭い執務室に、元々が地獄耳の綱手にはすべてが伝わる。
「それなら、仕方ないね。この申請を承認しておくよ。
でも、ナルト?コイツが嫌になったら私のところへおいで、サクラも喜ぶだろう」
にこっと笑顔をナルトだけに向け、火影の印を書類に力強く押して2人に退室を促した。
「ありがとう!ば・・・・五代目!」
扉をあけ、先にカカシが出るとナルトがその後を追う。
部屋から出る前に一度振り返ったナルトは笑顔を綱手にむけた。
「ったく、こんな時だけ”五代目”かい?調子がいいねぇ。さ、仕事の邪魔だ。
さっさと帰って引越しでも、結婚でもなんでもしておくれ」
綱手の言葉に、真っ赤になって何かを叫ぼうとしたナルトを後ろからカカシが口を塞ぎ、
視線を綱手に向けて頭を軽く下げ、扉を静かに閉めて退室した。
このシーンが綱手が”ナルト”を見た最後となった。
ナルトは、五代目火影から引越しを承認されたその日に引越しを終え、
引越し祝いとしてカカシと2人で一楽に来ていた。
「やっぱラーメンは一楽に限るってばよ!な?カカシ先生」
にこにことご機嫌な様子でラーメンを口に運び、隣に座るカカシの方へ視線を向けた。
「・・・・カ、カカシ先生・・・早く食べないと伸びるってばよ」
どんぶりを目の前に置き、箸を割りもしないで唇に咥えたまま、
カカシはナルトをじっと見つめていた。
その視線にナルトは居心地の悪さを覚え、自分のどんぶりを左手で持ち、
それ以降は無言でラーメンを口に運ぶ。
頬が上気していたのは、ラーメンの熱さだけではなかった。
結局、カカシはラーメンを口にする事なく、おいしそうにラーメンを平らげるナルトを
眺めていただけで2人は店を出た。
人通りの少ない通りにある2人の住居へ向かう途中、ずっと無言で歩き続けるカカシに
ナルトが遠慮がちに声をかけた。
「カカシ先生、どっか具合悪いのか?ラーメンも食べなかったしさ、それにずっと黙ってて・・・
なんか変だってばよ」
唇を尖らせ、少しだけ背の高いカカシを上目遣いで見上げる仕草など、
とても二十歳の青年とは思えない。
おもむろに、いつも顔を覆っている口布を自らずり降ろし、
斜めに身につけている額当てをぐっと掴み、剥ぎ取った。
カカシの正面で、後ろへ向かって足を進めていたナルトが驚いた表情を見せる。
「外で顔出しちゃまずいってばよ!いくら人通り少なくても、全然居ないわけじゃないんだし・・・」
慌てて顔を両手で覆う為に近づいてきたナルトを道の真ん中で抱きしめた。
「わっ!カカシ先生?ここ、外なんだけど!」
「知ってる・・・でも、我慢できなかったんだ・・・」
ぎゅっと抱き寄せ、背中に回した両腕に力を込めた。
瞳を閉じてナルトの肩に額をつける。
「が・・・我慢って・・・まさか、その・・・う」
もごもごと最後まで言葉を発する事ができなかったナルトは、これから家に帰ってから
自分もその気だった行為を思い出して、顔を真っ赤に染めあげた。
「違うよ。さすがに往来の最中・・・。お前のあの顔、あの声を俺以外の人間にあげるはずないだろ?」
クスリと笑って肩から額を離すと、軽く唇を合わせただけでカカシはすぐにナルトから離れる。
カカシを抱きしめるつもりで伸ばされたナルトの両腕が空しく残されていた。
「今日、朝から変だってばよ、カカシ先生。マジでさ」
手を自分のポケットに突っ込み、照れくさくてカカシに背を向けて再び歩き出す。
その後を少し離れてカカシが同じ速度で気配も感じさせずに歩く。
「変か?ま・・・あ、変かな?俺もどうしてなのかわかんないんだよね」
それは、本当の事だった。
昨日、ナルトが二十歳の誕生日を迎えるまでは、いつもの自分だったはずだ。
今朝、ナルトを見る自分の胸・・・いや、心臓の動悸が早まり、
気分もひどく落ち着かない状態に陥った。
それは今に至るまで、ずっとだ。
「ここんところ、AランクやらSランクの任務続きだったから、疲れ溜まってんだよ!
カカシ先生もいい年だからさ」
ははっと笑うナルトの言葉に、いつものように突っ込みを入れる事もできずに、
カカシは黙ったまま足を前に出した。
少し歩いた所でカカシの足が止まった。
目の前には、赤みの差した満月を背に、微動だにしないナルト。
「ナルト?どうした」
「・・・セ・・・カカ・・シせん・・・せ・・・逃げろ!」
立ち止まったカカシの胸をドンと突き放す。
ナルトは頭を両手でかきむしり、地面に両膝をついて苦しそうな声をあげた。
ナルトの苦しむ声に混じり、低く不気味な声が混じる。
「ナルト!ナル・・・?」
膝をつき、頭を地面に打ちつけながら苦しむナルトに、
駆け寄ったカカシは目の前で起きた事に驚愕しながらも、うずくまったままの恋人を抱きしめた。
「ナルト、愛してるよ」
俯いていたナルトの顔を両手で掴み、無理矢理上に向かせる。
両目は見開かれ、普段は澄んだ水の蒼をたたえている瞳の色が真っ赤に変化し、
苦しみなのか悲しみなのか、それとも生理的に流れ出ただけなのかわからない涙が溢れていた。
指を口の中に進入させ、強制的に唇を開かせると、そこには普段よりも長く伸びた牙が光る。
顔をぐっと引き寄せて唇を奪い、口内を舌で貪った。
「ぐうううっ!ぐああああ!」
ナルトの全身から徐々に大きくなる邪悪な力。
抱きしめる腕に一層力をこめ、今にも振りほどかれそうになるのを必死に堪える。
一時でも長くナルトを感じていたかった。
最後の一瞬まで”ナルト”を愛していたい。
だが、ナルトの肉体から溢れ出した禍々しいチャクラ。
間違いなく、二十年前に四代目火影が封印した九尾のものだった。
九尾のチャクラが膨れ上がり、ナルトのチャクラが一瞬にして消し去られた。
「っぐあ!」
遂にナルトの肉体から発せられた力に弾き飛ばされたカカシは、口から大量の血を流していた。
彼の舌はナルトによって食いちぎられていたのだ。
カカシを弾き飛ばした”九尾”は、かつてのように里中を破壊しつくし、大勢の命を奪う。
だが、この世に再び九尾を封じる事のできる人間はいない。
五年前の事件で、尾獣に対抗しうる忍が、何らかの形で死を与えられたからである。
二十年前の九尾と違う所は母体が人間であるため、かつての巨大さが無いという事だけ。
力そのものは衰えるどころか、ナルトの力や命までも取り込んで更に増していた。
二十年前、親を殺された里の者達もその後に生まれた者達も一丸となって、
甦った九尾を倒すために立ち上がるが、そのことごとくを振り払い、踏みにじり、躊躇なく殺す。
甦った九尾の前に腕ききの忍、五代目火影でさえも命を落とした。
「四代目・・・あなたの言った通りに・・・。アイツを愛しても、アレと止められなかった」
一歩一歩近づいていく。
左腕は肩からはずれ、骨はすでに粉々に砕かれていた。
プラプラと揺れるのを止めるだけに、カカシは右手で左腕を押さえつけた。
動きを止め、近づく存在を見つめる人の形をした獣。
「ナルト・・・愛していたんだよ。本当に・・・」
「がああっ!」
かつてのナルトは一際大きな声を上げ、近づいてくるカカシに飛び掛った。
「・・・・っナル・・・ト・・・ごめ・・・・ん。俺は・・・・」
ー”お前を愛している”と思い込んでいただけなのかもしれないな。ー
最後まで言葉を紡ぎ出す事も叶わず、カカシの意識はここで途絶えた。
木の葉を破壊しつくした獣は、火の国全土を破壊。
そして、長い年月を経て人間達と闘い続け、そして、誰もいなくなった。
かつて”ナルト”と呼ばれた忍を残して・・・・
『いつか俺が一番になってやるってばよ!』
彼の望みは、叶った。
end
※一応、添削し・・・誤字・脱字、表現のおかしい箇所など諸々を修正しました。
まだ何かお気づきの点がありましたらお知らせくださいorz
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cris内日記でキリ番2200を踏んでくださったお友達に(仮)納めした短編。
えー(汗)2200番を踏んでくださったマイフレさんの為に
書いたのですが・・・ものすごく暗い話に。しかも死ネタ・・・(滝汗)
しかも、自分的に見ても究極のバッドエンドな話しになってしまいました。
もし、死ネタとかこーゆう手の話しお嫌いだったらまた違うカカナルで書きなおしますので、
お申し出ください!!
・・・・仮納めという事でアップしました。よかったらお受け取りください、すみません!!
まさか、ここまで暗くなるとは思ってなかったんです、自分でも(涙)
書いている時の心情が出るのかな・・・とも思えなくもないです。
ごめんなさい!
投稿者 水天宮拓仄 : 2007年10月05日
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