■ 『 秘密の愛(2009年4月) 』 水天宮拓仄

誰にも気づかれてちゃダメな事ってあるよね。

それがどんな”事”でも”気持ち”でも”感情”でも。

俺は一時的に潜入調査に来ているだけの存在。

この空間にとって、俺はイレギュラーな存在になるんだ。

すべてが終ってしまえば、何も残さずにここを立ち去る。

そう、何も残しちゃいけないんだ。

それが目に見えないモノだとしても、残してはいけない。

プロの宝探し屋なら誰もが身につけているスキルだし、

俺もそのスキルは協会内でも評価されている。

気づかれちゃいけない・・・俺の気持ちを、誰にも。

円滑な人間関係は調査には必要だけど、親密な関係は不要だ。

俺が消えても誰も気にしないような関係を築かなければ。

だから・・・俺の秘密は誰にも気づかれてはならない。