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| ■ 学校生活で10のお題 04:図書室ではお静かに (真里野×七瀬 +
九龍) 水天宮拓仄 |
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昼休み、図書室に不審な動きを見せる人影が。
事実上、この図書室を管理している七瀬月魅が眼鏡の位置を直しつつ、不審な人影に近付いて行き、声をかけた。
「九龍さん?何をお探しですか?」
日々、備品をトレジャーしていく九龍に呆れつつ、一方的に怒ることもできない七瀬は未然に防ぐために働きかけている。
「な、七瀬!」
びくっと大きな体を震わせて声をかけてきた女生徒を振り返った。
そこには、いつものように知的な笑顔を浮かべながら九龍を見つめる七瀬が立っていた。
「いや、その〜」
隠れるように床に這いつくばっていた九龍が立ち上がりながら、バツの悪そうな表情を浮かべて周囲を見回した。
自分が備品をトレジャーにきていたのはバレているにしても、言い訳をしないわけにもいかない。
「あ、剣介!俺、剣介探してたんだ。昼休みはだいたい此処にいるって聞いたからさ」
ごまかしきれないが、ここは真里野を使って切り抜けようと九龍はこちらを遠くから様子をうかがっていた男子生徒に手を上げた。
「真里野さん…ですか?」
「ああ、剣介に話があったんだ」
疑惑の眼差しを受けた九龍は頬を赤らめ、なかなか近寄ってこない真里野を呼ぶ。
七瀬は気づいていないようだが、真里野は淡い想いを七瀬に抱いていた。それは、九龍と七瀬の心が入れ替わった際に関連があるのだが、真里野は今だに理解していないのだ。
事実、仲間の中でも誰1人として信じてくれない事件だったので無理もなかった。
「早く来いって剣介!こそこそすんなよ」
「く…九龍…拙者に何用だ?あ…あの、おつとめご苦労でござるな、七瀬どの」
照れながらも七瀬に挨拶をする真里野を面白そうに眺めて、九龍はとりあえず思いついた事を口に出した。せっかくだから真里野の想いが少しは七瀬に伝わるようにしてやろうかな、と大きなお世話を焼いてみることにした。
それは、もちろん面白そうだからである。
「こんにちは、真里野さん。いつも本の整理を手伝っていただいてありがとうございます」
「い、いや。拙者も読書を好む者として当然の事をしたまで」
思わぬところで九龍に自分が常に図書室で過ごしている事を伝えてしまい、焦った様子で九龍の様子をチラリと見て、額から噴出した汗を袖口でそっと拭った。
「へえー剣介、いつも七瀬の手伝いしてるんだ?」
「ま、まあ…その」
照れて視線を上に向けた真里野は落ち着かない様子だ。
「本当にいつも助かっています。私の手が届かない棚や重たい本も多いですから」
ニコニコと笑いながら素直な感謝の意を真里野に示す。
「女の子には優しいんだな剣介?」
嫌な笑みを向けながら、真里野の顔を覗きこむと、困ったような表情で怒鳴り出した。
「そっそんな事はござらんっ!」
普段は寡黙で大声を上げることのない真里野の怒鳴り声は図書室中に響き渡った。
「け、剣介?」
突然の声に九龍も驚きを隠せないでオロオロとしながら声をかけたが真里野は止まらない。
「拙者は女子すべてになど…お主のように節操なく接することはできん!七瀬どのだけでござる!」
まるで愛の告白をしたことに気づかない真里野。
図書室中に聞こえるような声での告白に七瀬もさすがに気づいたのか顔を両手で覆って真っ赤になっていた。
「剣介…お前って恥ずかしい奴だな」
大げさに溜息をつきながら真里野の肩をポンと叩くが、自分のした事を自覚していないためかきょとんとしている。
「な、何がおかしい九龍!」
周囲に注目されている上に、自分を笑う九龍に詰め寄ると恥ずかしさに固まっていた七瀬が昼休みの終りを告げるチャイムと共に声を上げた。
「図書室ではお静かに!」
end |
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