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| ■ 『 恋愛の基礎 』 水天宮拓仄 |
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今、ルフィ達はグランドラインから離れて、イーストブルーを航海していた。ルフィが海賊になってから既に3年…いや、あと数時間で4年になろうとしていた。あいかわらず小人数の海賊団であったが、賞金額は年々増えている。先日ついに、船長であるルフィ以外にも「剣豪ゾロ」と「コックのサンジ」も賞金首になったところである。金額は、並の海賊より高額だ。ますます、ルフィ海賊団の回りは騒がしくなろうとしている。
「あ〜あ、ついにサンジもゾロも賞金首か!」
「まあ…あれだけグランドラインで暴れてるんだ。ならねぇほうが変だぜ」
男部屋でくつろぎながらルフィ、ゾロ、サンジがナミに渡されたチラシを眺めている。チラシは合計3枚。ルフィ・ゾロ・サンジの手配書である。
「俺の写真イマイチじゃねぇか?」
サンジが自分の手配書を眺めて文句をついた。
「かっこいいじゃん?」
「写真の方が見れるじゃねぇか」
ルフィに褒められてニヤケたが、次に出たゾロの発言で一気に眉を吊り上げた。額には青筋も浮かんでいた。
「てめぇの手配書見せてみろよっ」
ゾロが持っていた紙を奪ったサンジ。
「けっ!あいかわらずぶっさいくな顔してやがる!」
「なんだと!このラブコック!」
「やるか?クソ剣士!」
今にも掴み合いのケンカになりそうな雰囲気のゾロとサンジ。しかし、その雰囲気はルフィによって、崩される。
「やめろっサンジ!」
「な、なんだよルフィ!てめぇには、クソ関係ねぇだろ?」
サンジの言葉に、ほんの少し表情を揺らすルフィ。
「俺、腹減ったから飯作ってくれよ」
腹を押さえて、サンジを見上げるルフィ。そのルフィに、またしてもドキドキしてしまったサンジは、すでに闘争心など残っていなかった。ゾロに至っては、ケンカする気があまりなかったようだ。いつも、サンジやルフィにケンカを売られているので、全部買っているまでであった。決して仲間に自分からケンカを売らないのがゾロだ。(たまにナミと痴話ケンカなどしてるが…)
「しかたねぇな〜。何が食いたいんだ?ルフィ」
「サンジが作ったもんなら何でもいいぞ!」
「そうか。じゃ、行くぞ」
「おうっ」
サンジが先他って、男部屋を出て会議室兼キッチンへ向かう。ルフィもサンジの後についてきた。ルフィの手をとって握ると、それにルフィも応えてくれる。実はこの船の船長とコックは、恋愛進行中なのである。
「サンジ…なんでゾロとケンカするんだ?」
「うん…別に〜」
「別にってなんだよ?」
少し拗ねた顔がかわいくて、ついつい甲板の途中で立ち止まる。そして、ルフィの唇に自分のそれを触れさせた。突然のキスに目を丸くするルフィだったが、すぐに正気に返る。少し頬が赤くなっているルフィ。
「ごまかすなよ!」
「別に理由なんか無いんだけどよ…暇つぶしってやつかもな」
タバコを加えなおすと、ルフィからもらったジッポで火をつける。
「そんなに暇ならオレといろよ」
「へ…?ルフィ?」
らしからなぬ態度のルフィに驚くとサンジは、まじまじとルフィの表情を覗きこむように屈む。その表情は、真剣で今にも涙をこぼしそうな雰囲気だ。
「オレはサンジと一緒にいたいんだぞ?」
「俺もルフィと一緒にいたいぜ?今も一緒にいるだろ?」
なぐさめるように肩に手を置いて自分の方へ引き寄せると、ルフィの薄い肩をやさしく抱きしめた。自然とルフィの腕がサンジの背中に回される。
「ちがう…そうじゃなくて…」
腕をサンジの背中に回したままルフィは、サンジに唇を接近させて瞳を閉じる。ルフィの頬は赤く染まり、唇も少し開かれた。
「ルフィ…誘ってんのかよ?」
サンジの言葉にルフィは、小さく頷く。その反応にサンジは、素直に従った。ルフィの開かれた唇に自分のそれを落とす。舌を忍びこませて、絡ませるように動かすと、ルフィもたどたどしいが応えてくれる。
「うっん…サンジ…」
キスだけで膝から力が抜けてしまったルフィは、サンジにすがりつくような態勢になっていた。そのルフィを抱き上げるとサンジは、ナミのみかん畑の陰へ場所を移動する。会議室として使っているキッチンはいつ、誰が入ってくるかわからないのだ。
「ルフィ…どうゆう風の吹き回しだ?」
ルフィの服を徐々に脱がしながらやさしく問いかけた。いつも求めるのは、自分からで、ルフィから求められた事はなかったから。
「サンジも…手配書になっちまったから…オレ…」
「大丈夫だぜ、俺の蹴りはクソジジイばりだろ?」
首筋に唇を落として跡を残さない程度に吸うと、ルフィがピクリと反応を返してきた。長い付き合いで、わかっている場所をやさしく触れていくサンジ。
「んっ…で、でも、もしオレのいない所でお前に何かあったら」
不安そうな顔で、サンジを見つめてルフィは首筋に埋まるサンジの顔を引き寄せてキスした。
「オレから離れるなよ、サンジ」
「ああ、わかってる」
もう一度強くルフィの体を抱きしめると、サンジは愛撫を再開させた。胸に指を伸ばし、敏感な部分を嬲るとルフィの背中がのけぞる。サンジの触れるところから快感が押し寄せていく。その快感を耐えたくてルフィは自分の手を口に押し当てていた。
「んっ!うぅぅううう」
「手,どけろよ。傷になるだろ?」
半ば強引にサンジが手を払いのける。その手をルフィの頭上でひとつにまとめて押さえつけながら、サンジの指はさらに下のほうへ伸びていった。すでに熱を持ち始めていたルフィ自身に、細く長い指を絡ませた。
「あっ!やっ…サ…サンジっ」
「ルフィ…嫌か?」
指を離してルフィの顔を見つめる。それに首を振るルフィ。嫌じゃないが、思わず、そう反応してしまうのだ。
「手…手離し…てくれ…んっ」
サンジの愛撫を必死に耐えながら懇願する。それを素直に受けとめてサンジはルフィの腕を解放した。その手が再び口元に行こうとしたのを阻止する。そのまま自分の背中に回させて、口元を引き上げる。
「俺の背中にしがみついてろよ」
惚れた弱みか、サンジの魅力的な笑みにルフィが顔を更に赤くしていた。
「…んんっ…あっ」
サンジの指が奥まった場所へ辿りつき、そっと湿った指先を滑り込ませた。そこは、指先をあっさりと吸いこみ奥へ導いていくようだ。
「やぁ…も…いいっサンジぃ」
「まだだ…全然慣らしてねぇんだぞ」
呼吸がだんだん荒くなってきたサンジだったが、ルフィを傷つけたくないと念入りにそこを広げる。何度も体を重ねているが、無理をすれば傷つくのだ。
「だ、だいじょ…だからっ…早くっ…うぁ」
快感に目をうるませてサンジの腕を掴む。
「…じゃ、ゆっくりな…」
ルフィの中から指を引きぬくと、熱くなっている自分自身をルフィの中へゆっくりと侵入させていく。多少慣らしたせいで、出血などの心配は無いようだ。
「あっ…いっ…いたっ」
もう、ここまで来てしまうとサンジにも余裕がない。ルフィが痛がったからと言って途中でやめることはできない。ゆっくりだったが確実に己をルフィの中へ静めた。
「ルフィ…いいか?動くぞ?」
コクリと頷くとルフィはサンジにしがみつくようにしてきた。それを合図にサンジが徐々に動き出す。最初は、ゆっくりとした動きであったが、だんだんと激しくなるサンジの動きにルフィは無意識のうちに、応える。
「あっはぁ…サン…ジ!」
「ルフィ…っ」
サンジに触れられていたルフィは、その手の中に己の欲望を吐き出し、その瞬間にサンジをも締付けた。そして、サンジはルフィの中へありったけの想いを注ぐのであった。
(数分後)
身支度を整えた二人はそのまま、みかん畑の陰で星を眺めていた。
「なんか、ヤってる間に新しい年になっちまったなぁ」
ポリポリと照れながら頬をかくルフィ。
「これが“ひめはじめ”ってんだぜ?」
笑いながらサンジは、ルフィの横顔を見つめる。今の台詞にまた赤くなる。本当にかわいい奴とか思いながら、サンジの表情はゆるみまくっている。
「なんだよ?」
「俺と離れたくない?」
「ああ、離れたくないな」
突然真剣になったサンジの声。それに真剣に応えるルフィ。
「料理が上手いからか?」
「ちがう、サンジが好きだからだ。なんでそんな事聞くんだよ?」
哀しそうな表情でサンジを見つめて、ルフィは視線を下に逸らしてしまった。サンジも自分と同じ感情で、自分と体を重ねているものだと信じていた。はっきりとした言葉を聞いたわけじゃないし、あいかわらず普段のサンジは、ナミをはじめ、美女となれば声をかけまくっている。そんなサンジの気持ちをルフィは、量りかねていたのだ。
「オレが好きだからか…ありがとなルフィ。オレもお前の事好きだぜ」
チュッと軽く頬にキスしてから、サンジは立ちあがった。そして、ぽかーんと座っているルフィに、満面の笑顔を見せる。
「オレ達は、どうも恋愛の基礎がなってなかったみてぇだなぁ」
「恋愛の基礎?」
ルフィも立ちあがる。
「言葉が足りなかったってことだ」
そう言うと、サンジはみかん畑からみかんを数個失敬する。そのひとつをルフィに渡してキッチンへ一歩を踏み出した。
「ああ、俺もそう思う!」
みかんを持って二人は、キッチンへ向かった。その表情は、今までにないほど晴れやかに輝いていた。
The End |
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