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| ■ 『 Happy×Happy Day 』 水天宮拓仄 |
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1
ルフィ海賊団は、大きくも小さくもない港町に数日前から寄港していた。食料の仕入れ、武器の仕入れなどやることがたくさんある。なにせ、船員が5人しかいないから、なにもかも時間がかかる。得に食料は、人外な胃袋を持つ船長のおかげで保存の効くものを大量に仕入れなければならなかった。今は、その加工を発注している状態なのだ。あと2・3日で出航できるとのこと。
そして今日は、食料の加工が完成するまで何もやる事がない。完全に各自が自分の時間を過ごすことができる日なのだ。
キッチンで朝食のしたくしているサンジが、背後でドアが開く気配を感じて口元をゆるませた。待ちきれずにやってくる人物は
「ルフィ。まだできてねぇぞ」
振り向きもせずに声をかけると、返ってきた返事は思った人物と違っていた。
「ルフィならナミのみかん畑だぜ」
「…!珍しいじゃねぇか。てめぇが起きてるなんてよ」
「別にいいだろ、俺の勝手だ」
サンジの後ろ姿をチラリと見て、いつも自分が座っている椅子をひくと、ゾロは荒っぽく腰を下ろす。
「そういえば、今日ホワイトデーだよな〜!ナミさんになんかやるんだろ?」
包丁を鮮やかにさばきながら上機嫌に言葉を発するサンジ。
「え?ホワイトデーだったか、今日」
「おいおい、レディに恥をかかすなよ?正真正銘今日がホワイトデーだぜ。バレンタインに受けた愛を倍返しだろ?」
包丁を持ったままくるりと振り向いて、にかっと笑うサンジは、上機嫌な様子だ。どうやらサンジはルフィに、何かを返すつもりらしい。それが何か、想像できるほどサンジの顔が弛んでいる。
「つうか、なんでてめぇ…俺がナミからチョコ貰ったの知ってんだよ?」
バレンタインにナミからチョコを貰ったことは誰にも言っていないし、ナミも秘密にしていたのだ。
「バレバレだったぜ?あの日のナミさんが、あんまりかわいかったからな〜♪」
デレっとするサンジに、ゾロの胸に小さな痛みが走った。なんだろう?この痛みは?そんな思いがゾロに広がっていく。その思いがすぐに表情に出たのか、サンジはゾロにむかって笑いながら口を開く。
「安心しな、ナミさんに恋愛感情は持ってねぇから」
「何だよ?いっつも“ナミさん、ナミさん”って言い寄ってんだろ、てめぇは」
「ば〜か、レディに対する礼儀だよ、アレは」
持っていた包丁をゾロに向けた。そして思い出したように再びまな板にむかい、手早く野菜を刻み、ぐつぐつと煮える鍋に次々に放り込んだ。
「じゃ、ルフィは?」
「本気だぜ、ルフィにはな。とるなよ」
「とらねぇよ」
お互いクスッと笑うと、それからキッチンの中に沈黙が流れていく。ぐつぐつと野菜の煮える音と、サンジの発する物音だけが部屋に響いた。
しばらくすると、スープの良い香りに誘われて仲間たちがキッチンに集まりだす。
「おはよう、サンジくん」
「おはようございますナミさん!今日もあいかわらずお綺麗で♪」
「ありがと。あら、珍しいじゃないゾロ」
「まあな」
そっけなく答えるゾロに、少しがっかりしながらナミが自分の椅子に腰を下ろした。その次に入ってきたのは、大きなあくびをしながらのウソップ。
「う〜ん…今日は何星作るかな〜」
「その前に飯食えよ」
「おうっ」
「あんたのパチンコってあんまり役に立たないわよね」
「何言ってやがる!いっつもおまえらのフォローしてやってんだろっ」
からかうナミにウソップが言い返して、しばらく二人の口論が続く。そして、最後にルフィが勢いよくドアをあけて入ってきた。
「サンジ飯ぃ!」
「できてるよ。まったく、てめぇは一言目には絶対“飯”だよな」
うれしそうに笑いながら、全員そろったところでテーブルに料理を並べるサンジ。その間に、いつもの笑いを浮かべながらルフィが椅子に座った。目の前に置かれていく料理を片っ端から胃袋に入れていく。
「もっと味わって食えよ、ルフィ」
「はににゃはってるりょ?」(味わってるぞ?)
二人のいちゃつきにもなれている仲間たちは、黙々と食事を口に運ぶ。
数十分後に全部の料理を食べ終えて、サンジは後片付けをしている。ほかのメンバーたちは、そのままテーブルを囲んで今日のスケジュールを話し合っていた。
「私はショッピングに行ってくるわ」
「付き合うぜ、ナミ」
ナミの発言にゾロが言葉を発した。
「いいの?いっつも嫌がってるくせに。荷物持ちが嫌だとか、女の買物は長いとか」
「ちょうどヒマなんだよ。お前が嫌ならいいんだぜ」
「そんなこと言ってないじゃない。いいわ、一緒に行きましょゾロ」
ぱっと明るい表情になると、ナミは席を立つ。
「じゃ、30分後に甲板で待ち合わせね?私、準備してくるから」
パタパタとキッチンを出て行くナミを見送ると、ゾロもアタマをかきながら椅子から立ちあがる。サンジの後ろ姿を目にしたからだった。肩が小刻みに揺れているサンジは、声を殺して笑っていた。あまりに下手なデートの誘いをするゾロがおもしろくてたまらなかったのだ。
「ちっ…」
そんなサンジに舌打ちをしてからゾロもキッチンを後にした。ナミが準備し終るまで甲板で待つことにする。
「で、ウソップはどうすんだ?」
「ん〜得にやることもねぇし…格納庫でも整理してっかな」
(ピクリっ)
ウソップの言葉にサンジの手が一瞬止まった。ウソップがこの船に残っては自分の計画が狂ってしまう。なんとしても追い出さないと!と、サンジが濡れた手をエプロンで拭うと、少し引きつった笑顔でウソップを振り返った。そして、手にはデザート。
「ルフィ、これ食べてみな。オレのオリジナルデザートだ」
「おうっサンキュー!」
目の前に置かれたパフェに目を奪われたルフィ。その隙をついて、サンジはウソップをキッチンの外へ誘導し、キッチンのドアをしめる。突然、目くじらを吊り上げウソップの胸倉を掴んで凄んだ。
「おい、長っ鼻!」
(ひぇぇぇ〜何で怒ってんだよぉ〜)
胸倉を掴まれたウソップは涙目になってくる。相変わらずサンジはものすごい迫力でウソップを睨みつけた。
「てめぇが船に残ってると困るんだよっ」
「な…な、なんでお前が困るんだよ?」
涙目になりながらもわずかな抵抗を試みた。しかし、それは返ってウソップに恐怖を与えることになってしまう。
「人の恋路を邪魔するもんは、オレに蹴られて死んじまえってことわざがあるだろ?」
(そ、それは“馬”だっ!)←でも口に出せない小心者♪
涙を流しながらサンジの迫力に負けてしまったウソップは、仕方なく外出をすることになったのだった。(ご愁傷様…)
ウソップを脅迫によって追い出す事に成功したサンジは、にこにこと笑顔でキッチンに戻ると、ルフィはパフェを食べ終えていた。
「うまいぞっコレっ」
口の周りに生クリームをくっつけたまま笑うルフィの顎を捉えてくいっと上を向かせるサンジ。
「当たり前だろ?オレが作ってんだぜ?あと、クリームべとべとだぞお前」
微笑ながら腰を屈めるとルフィの唇のクリームを舐めとるサンジは、自ら作った甘いクリームと愛しい恋人の味に満足していた。
2
甲板で寝転んでいたゾロの元に、着替えたナミがパタパタと駆け寄る。
「おまたせ!さっ行きましょ」
「ああ」
上機嫌でナミはゾロと船を降りた。ゾロは、そんなナミの横に並んで歩く。二人きりで買物に行くのは、考えてみればこれが初めてだった。いつもは、仲間達と一緒に行動しているし、ナミが全員に荷物持ちを命じるので必然的にそうなっていた。
この港町としては、割りと大きな装飾品や衣類を取り扱っている店に入ると、ナミは自分に似合そうな服を探しに店内を見て回っている。その様子を見ながらゾロが、こっそりと装飾品が並ぶショーケースの前に移動した。
「ん〜」
「何かお探しですか?」
にこにことショーケースへ店員が歩いてくる。ゾロは、腹巻に手をいれて自分が持っていた全財産(海賊狩り時代の戦利品)である宝石を取り出した。宝石をショーケースの上に置く。
「これが俺が持っている全財産なんだ。これで買えるピアスはどれだ?」
「ちょっとお待ちください」
店員はゾロの宝石を手にとって鑑定を始める。しばらくして、笑顔をゾロに向けた。
「かなり上質な物ですね。これなら何でもお買い上げになれますよ?なにかご希望のデザインとかありますか?」
その言葉にゾロがしばらく、うーんと唸りながら考える。ナミに喜んでもらえるものなら何でもよかったのだが…。
「そうだな…コレなんかいいな」
ゾロがショーケースに並んでいた、ピアスを指差した。そのピアスは、ナミの左腕に刻まれた刺青に良く似たデザインで、プラチナに小さな宝石がセンス良くちりばめられていた。
「こちらですね?少々お待ち下さい。お包みいたします、どなたかにプレゼントですか?」
「ああ」
「どのようなプレゼントですか?」
店員の言葉にゾロが言葉を失う。お礼とも言えないし、恋人へのプレゼントでもない。どう答えればいいんだろうか?しばらく悩むと思い切って口を開くゾロは、少し頬が赤くなっていることを自覚した。
「好きな女にやるんだ」
「そうですか、ではそのようにお包みしますね」
にっこりと笑って店員は、手早く小さなかわいい箱にピアスを入れると、真っ白な包装紙で包んでゾロへ差し出す。小箱を受け取るとゾロが踵を返した。
「あ、お客様!おつりがあります」
「いらねぇ、あんたにやるよ。好きにしてくれ」
笑みを浮かべながら店を出るとナミは、まだ気にいる服を探して店内を歩き回っているようだ。ゾロは、そんなナミを目で追いながら近くに備え付けてあるベンチへ腰を下ろした。
「はぁ〜それにしても長いよな…女の買物ってのは」
ため息まじりに言葉を発するゾロの表情は、穏やかでこの時間を楽しんでいるかのようだった。今まで感じた事のない感情を自分はナミに抱いていると、チョコをもらったときに自覚した。自分はナミという女に惹かれていると
しばらくして、ナミが大量に袋やら箱やらをかかえてゾロに向かって歩いてきた。どうやら買物が終ったらしい。足元がふらふらしているナミに近づくと、荷物をすべて持ってやる。
「ちょっと買いすぎじゃねぇか?」
「いいのよ!今度いつ買物できるかわからないんだから」
いつも通りの会話を交わしながら店を出たナミは、港へ足を向けた。しかし、それを珍しくゾロが引き止める。
「なあ、その辺で飲んでいかねぇか?」
「…こんな時間から?」
「まあ、いいじゃねぇか。今船に戻ってもクソコックに悪いだろ」
「それもそうね」
ゾロの誘いで昼からやっている酒場へ入ると、二人はカウンターへ座った。マスターにとりあえず、酒を持って来いとだけ注文した二人はとことん飲みつづける。
そして、そろそろ日も暮れた頃にマスターから二人にストップがかかってしまった。
「お客さん。悪いがそろそろやめてくれ。夜に出す酒がなくなっちまうよ」
「じゃ、そろそろ出る?」
「そうだな」
「で、お金あるの?あんた」
「い、いや…持ってない」
「まったく…しょうがないわね。今日は奢ってあげる」
「サンキュ」
ナミの財布から大枚の札が出される。そして店を出た二人は港へ向かっている。港へ行くには海岸を歩くコースと街中を歩くコースがあるのだが、ナミの前を歩くゾロが海岸コースへ足を向けたので、少々遠回りになるが大荷物を抱えながら二人は海岸へ向かう。ゴーイングメリー号が見えたあたりで、突然ゾロが歩みをとめて荷物を砂浜の上に下ろした。
「どうしたの?もうすぐ着くのに」
「ナミ」
ナミを振り返ってゾロはピアスの入った小箱を差し出す。
「え?」
「これ、お前に買ったんだ…今日、ホワイトデーだろ?」
「私に…?」
ナミが小箱を受け取ってゾロを見上げると、ゾロは照れ笑いを浮かべながら視線を海へ向けてポリポリと自分の頬をひっかいていた。
「開けてみろよ」
「うん。ありがとう」
嬉しそうにナミは小箱の包装紙を丁寧にはがしてそっとふたを開けた。
「…これ…私の刺青に似てる」
「そう思って選んだ」
「あり…がとう…ゾロ。嬉しい」
涙声のナミに驚いて視線をナミに向けると、小箱を抱えながら涙を流すナミがゾロの目に飛び込んできた。ゾロの心臓が急に激しく鼓動する
「な、泣くなよナミ」
「嬉しいんだもん…仕方ないじゃない」
涙を流しながらも笑顔をゾロに向けるナミは、小箱からピアスを取り出す。
「でも、私ピアスの穴がないの」
ちょっと淋しそうな表情になったナミ。
「俺が開けてやるよ。針とか持ってるだろ?」
「…痛くしないでね?」
「ああ、大丈夫だ」
ナミがバッグの中から針を取り出してゾロに渡す。ゾロが針を持って近づくと、ナミは思わず瞳を閉じる。針を反射的に恐いものと反応したからだ。
「……!」
しかし、ナミが感じた感触は痛みではなく。唇にやわらかい感触。その感触はすぐに離れていった。驚いてナミが瞳を開けるとゾロが少し赤くなりながら笑っていた。
「い、嫌だったか?」
「嫌なはずないでしょ?」
ゾロが赤くなりながら間の抜けた質問をしてきた。ナミもつられて赤くなってしまう。
「バレンタインのチョコうまかった…ごちそうさま」
「うん…よかった」
針に気をつけながらナミを引き寄せ、そっと抱きしめるゾロにナミも背中に腕を回す事で応えていた。言葉に出さずともお互いの気持ちをわかりあえる。
「ピアスどうする?」
「後で…今はまだこのままでいたいから」
「そうだな」
針を砂浜の上に落とすとさっきより力強くナミを抱きしめるゾロはそっと瞳を閉じた。ナミの体温を感じていたい。
「ゾロ…もう一回キスして」
ナミの言葉に無言のままそれを実行する。
赤く染まった砂浜で二人の影が再び交わった。
3
ゾロとナミが出かけて、ウソップが追い出された後にサンジとルフィは男部屋のソファの上でくつろいでいた。
「なぁサンジ、どっか行かねぇの?」
「ああ、今日はオレとお前が船番なんだ」(ウソ)
「そっか」
自分のでまかせを真に受けてしまうルフィを見てのどの奥で笑みがこぼれた。
「よし、昼飯までまだ時間があるな」
ニヤっと笑うとソファから立ちあがってルフィに近づいた。
「ルフィ。今日なんの日か知ってるか?」
「何かあるのか?今日」
やっぱり知らないルフィに少々がっくりと肩を落としたが、すぐに考えなおす。
「今日はホワイトデーって言う日だ」
「ほわいとでー?」
「この前、オレにチョコくれただろ?そのお返しをする日だ。まあ愛に応える日って事」
言葉を発しながらルフィの隣に腰を下ろすサンジはにかっと笑顔をルフィに向けた。
「お返しくれんのか?」
わくわくしながら期待の視線をサンジに向けて、ルフィもしししっと笑顔になった。
「ああ、もちろんだ」
「へぇ〜楽しみだな!」
「だろ?じゃ、まず第1弾からやろうか?」
ニヤニヤと笑ってルフィの瞳を覗きこむサンジは、じりじりとルフィに近づいていく。下心丸見えだったりする。
「うん?」
きょとんとサンジを見つめて頷くルフィをぎゅっと抱きしめた。
「よっしゃ、じゃあ遠慮なく“お返し”させてもらおーか」
「な…なんだよっ!」
「だから、愛のお返し第1弾」
ルフィの額にちゅっと軽くキスを贈って、するすると自分のジャケットを脱ぐと床に放り投げた。
「こんなのお返しになるかよ!いっつもしてんのに」
照れながらもごもごとセリフを口するルフィの上着を脱がす。ルフィも口では嫌がっても抵抗らしきものは、一切みられない。
「いつもより、愛を込めてやるってことだ」
「なんだよ、いつもはこもってなかったのか?サンジ」
下から拗ねるようにサンジを見上げるルフィの可愛さに、理性を飛ばしてしまいそうになりながら、なんとか耐える。なんだって、今日のルフィはいつもよりかわいく見えるんだ?
「そんなはずねぇだろ?」
ルフィを引き寄せて唇を奪った。ゆっくりと唇を舐めると、口内に舌をすべりこませる。
「う…んっ」
互いの舌を絡ませながら長く深いキスを交わす。飲み下しきれない唾液がルフィの顎をつたって首筋へかけて道を作っていた。
充分に唇を堪能したサンジは、ルフィの唇を解放する。
「どうだ?愛を感じるだろ?」
得意そうに笑ってルフィ見た。ルフィは真っ赤に潤んだ目でサンジを見つめる。
「…う…ん」
「よし、じゃあもっと愛を感じてもらおうか」
「やだって言っただろ?こんな朝から…そんな」
「オレも言っただろ?朝でも昼でも、なんでも仕方ねぇんだって」
ルフィをソファに押し倒して胸を弄るサンジの指先が踊る。
「あっやっそこ…」
「いいんだろ?コレが。ちゃんと知ってるんだぜ」
笑いながら今度は胸の突起に触れた。ビクビクとルフィの背が反り返り、体が熱くなっていく。
「はぁっ…ああっサ、サンジぃ」
サンジのワイシャツをくしゃくしゃと握りしめて襲いくる快感を耐えようと努力するルフィをあざ笑うかのように、サンジの指は下半身へ伸びていく。
「今日はやけに敏感だな?」
快感で震えるルフィにやさしく触れながら耳元に囁いた。その刺激もルフィを過敏にさせている。感度の良さは元からだったが、精神状態などによって度合いが変わるのだ。朝のエッチは夜より良いと誰かに聞いたことがあるな…と頭のすみでサンジが思い出していた。今のルフィがまさにそれだ。
「んんっ…うぁっ」
サンジの指が敏感な部分を刺激していく。己の感情を無視して感覚だけが敏感になっていくルフィ。いつもより、サンジの触る場所が熱くしびれている。
「もっ許してぇサンジぃっ」
「……っ」
己の体をコントロールできなくなったルフィがサンジに助けを求めるように、目の前に存在する愛しい人の首筋に腕を伸ばす。力が入らず、うまく抱きつけないルフィ。そのルフィの腕を捕らえて自分の肩へ腕をかけてやる。今まで見たよりも一層艶っぽいルフィに息を呑んだ。一気に己の熱が上昇することをサンジは自覚する。今すぐにルフィの中に入りたい。でも、今日はやさしく抱きしめようと思っているのだから
「あっはぁっ……うぅんっ」
サンジの掌に欲望を吐き出すとサンジの肩へ頭を預ける。
「はぁ〜あっ…サン…ジ」
快感の余韻で小さく震えるルフィをきゅっと抱きしめるとサンジは、唇をルフィの耳朶から首筋へと滑らす。ちゅっと吸うと、あっさりと赤い花弁がいくつも浮き上がった。
「お前、本当に焼けないよな〜」
「なっ…なんだよぉ〜サンジだって真っ白じゃんか」
クスっと笑いながらルフィに声をかける。ルフィも余韻から立ち直っていた。ゆっくりとルフィのペースですすめばいい。
「オレはちゃーんとケアしてるんだよ」
口元を吊り上げてルフィに笑いかけると、ワイシャツを脱ぐ。いつも見ているサンジの半裸に何故かドキリとするルフィは、視線をそらした。そのかわいい仕草にサンジが、またもや己を抑える。
「ま、お前は焼けないタイプなんだろ」
ちゅっと鎖骨にキスする感触にルフィがくすぐったそうに首をすくめた。
「くすぐったいっサンジ」
「いいからオレに任せろって」
もう、目立とうがなんだろうが花弁を全身にちらしていくサンジ。自分の物だと主張しているようだ。
「し、しつこいぞ〜サンジ」
ルフィの声に顔を上げると、今度は唇を奪う。舌を滑り込ませた深いキスだった。キスを交わしながらルフィの下半身へ指を伸ばす。
「あっんんっ」
ビクリとルフィの全身が跳ねる。座ったままの態勢で全身を愛撫するサンジは、たくみにルフィをたかめていく。
「ルフィ…感じるか?」
「ふぁっ…サンジィ」
言葉にできなくても全身で応えるルフィにサンジは満足そうに笑った。自分の愛を素直に受けとめて感じてくれるルフィを、また改めて愛しいと感じていた。
「こうするともっと感じるだろ」
「いった…いよ」
自分を受け入れさせる場所に指を伸ばすとゆっくりと侵入させていく。まだ硬いその場所は、サンジの指をきつくしめつけた。サンジはそこから指を引きぬくと、そのままルフィの再び熱くなっている先端へ愛撫を加える。ぬるぬるとしたものが、サンジの指を汚していく。
「あっ…はぁ」
イヤラシイ音が部屋に響いてる気がしてルフィは急に恥ずかしくなる。誰もいないとわかっていても、まだ外は明るいし誰がいつ帰ってくるかもわからない。その羞恥心でルフィの体はいつもより敏感になっている。
「すごいな…ルフィ。おまえのココ」
だんだん掠れてくるサンジの声も更にルフィの羞恥心を煽る。今日のサンジはなんだかやさしいんだか意地悪なのかよくわからない。いつもと違うシチュエーションで抱かれているからだろうか?
「はっ…んなっ事言う…なよ…バカっ・・」
「かわいいぜ、ルフィ」
真っ赤に染まったルフィに唇を合わして、充分に濡れた指を再び後ろへ伸ばした。今度はスムーズに挿入させることができたサンジは、ゆっくりと内部をかきまぜるような動きを繰り返す。
「いっ…ああっ!やっやだっ」
いやいやするように頭を左右に振るルフィを無視して、更にサンジはルフィの弱い場所を攻めたてていく。ぐっと奥まで指を入れると更に指の数を増やしていく。それぞれの指が違う動きをする。ルフィ自身も触れられてもいないのに、ますます硬くなっていった。
「やぁっ…んんっ」
「まだ終りじゃないんだぜ?そんなに絞めるなよ」
くすりと意地悪いセリフとルフィの耳元に囁いて、サンジは己の指を引きぬいた。そして、今まで抱きしめていたルフィを少し持ち上げた。
「…サンジ?」
「そのまま座ってみな」
サンジの言葉に素直に従うルフィ。腰をサンジに支えられてそのまままっすぐ腰を下ろす。その先には、すでに熱くなったサンジが待っていた。
「サ…サンジっこ、こんなの…無理だよぉ」
「大丈夫だって、ホラ…そのまま、まっすぐに座れよ」
「…う〜」
ルフィの腰を支えながら自分自身にも手を添えて固定させるサンジ。でもふと気づいて自分から手を離すと、遊んでいたルフィの手を取った。
「ルフィ、こうしてた方が安定するぜ」
「…!」
熱く硬くなったサンジに手を触れさせられたルフィは、真っ赤になる。しばらく、それに触れるだけだったが、少し震える指先でそっと指を形にそって回した。
「…できるか?」
「うん…やってみる」
そう言うとルフィはサンジを握ったまま自分の腰を下ろしていく。サンジに触れたときに一瞬躊躇したが、徐々に飲みこんでいく。
「うん…あっああ」
「いいぜ、そのまま体重かけてみろよ」
ルフィの腰をぐっと下に引くと、いっきに貫く。自分の体重が全部かかり奥までサンジを感じるルフィは、背中を反り返らせて高く鳴いた。
「うあっ!あっあっ…奥…まで・・くるっ」
「くっ…ルフィ…いいぜ」
今まで感じた事がないほどの快感が二人をつつむ。しばらく、そのまま抱き合っていたがサンジが、いきなりソファへ背を預けた。自分を下から見つめるサンジの視線にルフィがますます顔を赤らめる。この態勢だと自分が丸見えなのだ。表情も、繋がっている部分も、そして熱く蜜を流す自分自身もサンジに見られている。
「こ、この格好やだ…」
「やだじゃないだろ?動くぜ」
ルフィの腰を両手で掴みぐっと持ち上げると、すぐにまた下ろす。
「はっああん…サン…」
「お前も…動けって…ほら、ここに手つけよ」
一旦動きを止めてルフィの腕を自分の胸あたりにつかせると動きを再開する。しばらくサンジの動きに身を任していたルフィだったが、しだいにサンジの動きに合わせるように腰を上下に揺らしはじめた。
「あっんっんんっ…やぁ…いいっサンジっ」
己の快感を追い求めるルフィは、必死に体を動かす。もう羞恥心もなにも残っていない。感じるままに鳴き、体を揺らすだけだった。
「オレもいいぜ、ルフィっ」
眉間に皺を寄せて快感に耐えているサンジ。今までに感じたことがない快感がサンジを襲っていた。こんなにルフィが淫らになってくれるとは思っていなかった。そして、意地でもルフィより先に絶頂をむかえたくないとか思っている。ルフィ自身へ指を伸ばすときゅっと握る。
「うあっ…んんっやああ!」
その新しい刺激が加わってルフィはサンジの胸へ己を吐き出した。そしてサンジをきつく絞めつける。
「くっう…ぁっ」
快感がサンジを襲う、一瞬瞳を閉じて喉がそりかえる。ルフィの中に己の熱をすべて吐き出すと大きく呼吸をする。
「は〜…」
まだ己を飲みこんだまま、自分へと体を預けてぐったりしているルフィは、まだ荒い息を整えられずに震えていた。
「ルフィ…好きだぜ」
「…あっ…オレもサンジ好きっ」
サンジの言葉にまたルフィの内部が締まる。その反応にサンジが嬉しそうに微笑んで、ルフィの腰に力を加えて己を引き出す。
「あっ…ん」
引き出される時の感触で、またルフィは己が熱くなるのを感じた。
「今度は反対な」
今度はルフィをソファに押し倒すと、ルフィの唇と奪って指はルフィの全身を愛している。こうして、愛のお返し第1弾第2部が始まったのだった。
サンジのお返し第1弾を受け取ったルフィは、ソファの上で力なく横たわっていた。そのルフィの体を布で清めてから服を着せてやる。
「服くらい自分で着ろよ」
「ん〜ん〜」
目もうつろで宙を見ているルフィに服を着せ終えたサンジが、真上から見下ろした。サンジと目が合うと、頬を赤く染める。
「なんだよ?そんなに気持ちよかったか?」
「ばかサンジっ!」
「いいじゃねぇか、たまに朝からやっても」
「よくねぇよ!」
「まあまあ、これからお返し第2弾やっから機嫌直せよ」
拗ねた表情のルフィの頭をぽんぽんと叩いてサンジは、マストへ足をかける。
「第2弾?今度は何する気だよ」
「ば〜か、ランチだよ。今日は特別に作ったんだぜ」
「本当!早く食おうっ」
サンジを追い越してキッチンへ駆け込んだルフィは椅子に腰を下ろした。少し遅れてサンジがキッチンに入る。
「よし、今温めてやるから待ってろよ」
「うんっ」
笑いあう二人の間には、穏やかな空気が漂っていた。ランチを済ませた二人は、仲間たちが帰ってくるまでディナーの用意に勤しんでいた。
4
空も赤くなってゴーイングメリー号のキッチンは、いつもの騒々しさを取り戻していた。サンジがルフィのつまみ食いを阻止しながらやっとディナーの準備をし終えた頃。びくびくとウソップが帰ってきて、次に大荷物を抱えたゾロと小さな小箱を大切そうに持ったナミが帰ってきた。
「おかえりなさい、ナミさん!さあ、ディナーの用意ができてますよ」
「おいしそう♪でも、ちょっと待ってね荷物を部屋に置いてくるから」
満面の笑みでナミは自分の部屋へ向かう。その後にゾロも荷物を持ってついていく。その二人の様子を見たサンジは、ニヤリと唇を吊り上げた。
(ゾロの奴…やるときゃやるな)
この手については、とんと疎いと思っていたゾロが、どうやらナミと上手くいったらしい様子。ナミとゾロの間にいつもと違う雰囲気が漂っていたことは、サンジしか気づいていない。そう、同じ愛に生きる人間だからわかる。
「サンジ!もう食ってもいいだろっ」
「うるせぇな〜もう、いいぜ」
皆が戻ってくるまでとお預けをくらっていたルフィが痺れを切らして声を上げると、サンジは憎まれ口を叩きながらも我が恋人に極上の笑みと料理を与え続けるのだ。
そう、これからもずっとずっと…
おわり |
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