母の愛(2008年5月) 水天宮拓仄


赤黒い肉塊。

それを血まみれの女が呆然と見つめている。

唇が僅かに動いた。

「わたしの赤ちゃん」

肉塊がピクピクと動く。

「わたしのかわいい子」

駆け寄り肉塊を両腕で愛しそうに抱きしめる。

「こんにちは。わたしがママよ」

血まみれの肉塊に唇を寄せ微笑む彼女は紛れもなく母の顔だった。