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【恋愛&ファンタジーで5の台詞】
1:二人、相容れない種族でもお前はお前だ。何も変わらないよ。
2:お前が行きたい道を進めばいい。私は必ず側で守るよ。
3:神と触れ合う事が我が野望。神は私を愛してくれるだろうか?
4:あなたが何者でもいい、私はあなたを愛しています。
5:僕の特別なチカラ、君の望むままに。僕は君のモノだ。


企画用短編9 (恋愛&ファンタジーで5の台詞)
■使用台詞
2:お前が行きたい道を進めばいい。私は必ず側で守るよ。
(貴女は行きたい道を進みなさい。私は必ず側で守ります)に改変。

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 誰も近づかない不気味な森の奥深くに、大きな建物が2つ3つ連なった状態で建っていた。
 そこを訪れる人間は一国の王だったり、大金持ちだったりするが、それも年に一度あるか無いかの頻度である。
 森の不気味さもあるが、人々がこの建物へ近づかない理由がもう一つある。
 それは一人の研究者が得体の知れない実験を日々繰り返し、
自分の家族すらも犠牲に研究に没頭しているという噂が付近の住民に深く浸透していた。
 それでも、研究者の下を訪れる人間が稀にでも存在する事は事実で、彼らは一様に必死な面持ちで研究者を訪ねた。
だが、ここ数ヶ月は王族や貴族が研究者を訪ねる事も無く、
森の奥にひっそりとコンクリートのような素材で作られている研究所は、不気味に佇んでいる。


 研究所の中では初老の男が一人床に突っ伏した状態でピクリとも動かない。
 彼は最後の力を振り絞って小さな機械についている赤いボタンを押し、そのまま力尽きていた。
 初老の男の名前はグスタフと言い、この国で一番のアンドロイド研究者として有名だった。
 だが、森の奥に住み、外の人間達との関わりを極度に嫌った彼は人々に疎ましく思われていた。
 付近に住む住民達は、彼が何の研究をしているのか知らずに、外見や雰囲気の異様さに目を背け避けている。
 グスタフには十六歳になったばかりの娘フィリーネがいたが、
外の世界には一切出さずに育てた為、人々は彼女の存在を知らない。


 グスタフが赤いボタンを押し、そのまま床に倒れてから数秒後。
 再び研究所の中で低い機械音が響いた。
ーヴィーンー
 壁に立てかけられていた人間が一人すっぽり入れるほどの大きな透明なケースが動いた。
 機械音は、そのケースの蓋と思われる部分が上に向かって開けられた音だ。
 全開になった蓋の端を色白い手がしっかりと掴み、ケースの中から素足の若い男が姿を表し、
目の前で倒れているグスタフを見つけて駆け寄った。
「博士!博士!やっと私を目覚めさせてくれたのに、なぜあなたは私を見てくれないのです?」
 哀しそうな表情で動かないグスタフを揺する。
 すると、かすかに反応があり、グスタフのまぶたがゆっくりとわずかに開かれた。
「おお・・・この目で動くお前を見れるとは思いもよらなかったぞ、アルノルト。我が最高傑作にして、最後の息子よ」
 かすむ目を残る力を振り絞って見開き、少しでも長く目に焼き付けようと見つめる。
「博士。すぐに病院へ行きましょう」
「いや、それには及ばぬ。わしは、もうここまでなのだ。
この命が切れる前にお前を完成させて、この目に動いている姿を写せただけで満足だ」
「そんな・・・私はこれからどうすればいいのですか?あなたが居なければ何もできません」
 横たわるグスタフの両手を握り、必死に訴える。
 その様子に満足そうに笑い、震える唇をやっとの思いで開く。
「わしの娘フィリーネがいる。何ひとつ親らしい事をしてやれなかった、人並みに愛情を注ぐこともできなかった娘だ。
わしの代わりにフィリーネを頼むぞアルノ・・・ト・・・」
 消え入りそうな声を最後に静かに瞼を閉じたグスタフは微笑みを残し、旅立った。
「博士・・・どうか、安らかに」
 そっとグスタフを抱きかかえ、研究所を音も無く出ると住居部分となっている棟へ入り、彼の寝室へ向かった。
 ずっと使っていなかった寝室は埃にまみれていたがグスタフが一番安らげる場所である。
 動かない彼をそっとベッドの上に下ろし、両手を胸の上で合わせてベッドのカバーを上に被せた。
 しばらくベッドに横たわり、永遠の安らぎに身を委ねたグスタフを見つめていたが、くるりと踵を返してクローゼットに向かう。
 目覚めたばかりのアルノルトは衣服を身につけていなかった為、フィリーネの前にこのまま行くわけには行かなかったのだ。
 アルノルトは人が作り出した人間・・・そう、アンドロイドと呼ばれる機械じかけの人である。
 グスタフは数十年前からアンドロイドにおける高い技術を発揮し、王族や貴族達に依頼されては、
召使から亡くなった家族のアンドロイドを制作し、それを研究費や生活費にあてて暮らしていた。
 グスタフが求めていたものは・・・感情を持ち、自分で学習し、成長する事のできるアンドロイドを作ることだった。
 それが死を直前に控え、寝る間も食事をする間も惜しんで制作したアルノルトである。
 自分が死を迎えた後、外の世界に一歩も出す事も無く育ててきた娘を、自分に代わって見守ってくれる存在を制作した。


 グスタフの寝室を出て、隣りのフィリーネが眠る部屋へそっと足を踏み入れた。
 うっすらと明るくなった外の淡い光がカーテンごしに部屋へ降り注ぐ中、ベッドですやすやと寝息を立てる少女を映し出す。
「彼女が博士の娘・・・美しく、無垢で・・・そして可哀想なフィリーネ」
 そっとベッドに近づき、床に音を立てないように膝をつき、アルノルトは目を細めた。
 人間でいう心臓の位置にあるアンドロイドにとっても同じ意味を持つ”核”がドクリと違うリズムを刻みはじめる。
 父の死を知らない、まだ幼さを残す寝顔にそっと唇を近づけて淡い光に照らされた白い頬に軽く触れた。
 人間の温かさよりも、ほんの少し冷たい唇の感触にも軽く身じろいだのみで瞳が開かれるのは、もうしばらく時間が必要だった。
 唇を離し、優しく髪を撫でながらアルノルトは耳元で囁きかける。
「貴女は行きたい道を進みなさい。私は・・・必ず側で守ります」



end

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■キャラ紹介
・アルノルト <アンドロイド(男性型)>
アンドロイド研究者として有名なグスタフ博士が息を引き取る寸前まで手がけた最高傑作のアンドロイド。
外見は若い男性型であり、今までにないAIを有する”最も人間に近い”アンドロイド。
主人の命令でも、彼が自分自身で善悪を判断し、彼が賛同できない命令には従わない。
感情もあり、人間のように喜怒哀楽を表現できる。
制作者であり、主人であるグスタフの命令は「娘を頼む」の一言だった。


・フィリーネ 16歳 <人間(女)>
アンドロイド研究の第一人者であるグスタフを父に持ち、母親はフィリーネを出産した翌年に亡くなっている。
森の奥深くに研究施設と住宅を持っていた父と学校へも行かずに二人暮らしをしていたフィリーネにとっては、
兄弟や友達が父の作ったアンドロイド達だった。
唯一の血縁者である父グスタフは数日前に自宅研究所で、
一体の男性型アンドロイドを完成させて、そのまま息を引き取ってしまった。